マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔



マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔 (単行本)
    クインシー トループ (著) Quincy Troupe (原著) 中山 康樹 (監修) 中山 啓子 (翻訳) 
                                            河出書房新社

世の中シルバーウィークだって。みなさんどうしてるんでしょう。
私は2日仕事、2日休み。でも行くところもないし、暇だからやっぱり読書。

先日紹介した、『マイルス・デイビス自叙伝』 を読んだあと、マイルスのことがもっともっと
知りたくなって読んでみた本、『マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔』。
テンションノート・ジャズブログ” のSOU-UNさんが紹介してくれました。

友人である詩人のクインシー・トループから見たマイルスの素顔。
読んでみると、SOU-UNさんがおっしゃるように、確かにこちらの方が自叙伝よりも
マイルスのことがよくわかるような気がする。

クインシー・トループの語る文章からは、マイルスの人柄がすごくよく伝わってくる。
マイルスの語り口調がうまく表現されていて楽しいし、文章もとても読みやすい。

いつも出てくるマイルスの言葉が、「この、くそったれ野郎!」。
横文字ではいったいどういう風に言うのかな。英語の先生教えて!

序文に書かれた著者のマイルスの音楽についての語りがとても素晴らしすぎる。
あまり載せたら、著作権侵害で訴えられるかな。でも載せてしまおう。

「マイルス・デイヴィスはトランペットの詩人だった。
彼のトランペットはあたたかく、心の琴線に触れるノートを朗々と響かせることもあれば、激しい発砲音を思わせる、ひびわれたトリルを吐き出すこともある。
ときとして彼のトランペットは漂い、そして非常に複雑なリズムや微妙に変化するテンポ、あるいは
息を呑むような速度で流れていくような印象を与える。
その音色は、鋭い牙をむくかと思えば、子守唄のようにやさしく語りかける。
しかし、それは常に深い情感をたたえている。
マイルスの音色は、いつも我々の耳に訴えかける。それはつややかで憂いを帯びた、忘れがたい
音色である。ラジオからマイルスが流れてくれば、すぐさまその音色によって彼とわかる。
それは、彼にしか奏でられない音色だ。。。」

ね。すごいでしょ。私もそう思う。でもこんな風に上手に語れない。
この文章読んだとき、感動するとともに、とてもうれしくなってしまった。
さすが詩人だな。

この本読んでると、マイルスの偉大さ、天才っぷり、変人ぶり、おちゃめさ、カッコよさ、恐さ、
孤独、。。いろいろな面がわかる。
本当魅力的な人だな。すごい人だな。すごくかっこいい!

著者もマイルスのことを 「子供っぽく、繊細で思いのほかやさしい。だが、たちまち辛辣で乱暴な
態度にでる。気前がよくてケチ、洗練されていて田舎者、うぶで如才なく、無知でありながら造詣が
深い。そして冷酷で無慈悲である。」                         
と語っている。本当に上手な表現だな。感心する。
でも、いったいどんなやつなんだ。マイルスって。

もっと早く読んでいればよかったな。
読んでいたらここに紹介されている多くのCD全部聴いてみたくなってしまった。
もちろん何枚か(15枚くらいかな?)持っているけど、これだけじゃあマイルスの音楽
知ったことにならないし、多くを語れない。

まあ、語れなくてもいいんだけど(それにいったい誰に語るんだよ)、
もっともっと知りたくなってしまったんだな。
好きになると、何事にも一途な私。。

マイルスの自叙伝に出てきた、彼と共演した多くのミュージシャンのCDも聴かなくちゃならない。
って別に聴かなきゃならないってこともないけどね。

あー忙しくなるなぁ。ってCD探して借りたり購入したりの手筈をしたら、
ただひたすら流して聴くだけだから、忙しくはないか。
どうせ暇なんだし、毎日やってることだった。^^v


マイルス・アンド・ミー―帝王の素顔  →レヴュー



!マイルスを聴け

そして、ついでにこの本も。。
『マイルスを聴け! 2001 』          中山康樹 著     双葉文庫

1997年の『新・マイルスを聴け!!』 の文庫化。
今世紀最高のマイルス世界完全ガイドブック。

しかし、単なるガイドブックではないんだな。
読んでるだけでこれまたマイルスのことがよくわかる。
この方の文章、最高に面白い。それもそのはずマイルスの自叙伝も翻訳された方だからよけいかも。

著者は、マイルス以外は聴かなくてもいいと言い切る。
マイルスさえ聴けば、全部のジャズ・ミュージシャンが付いてくる。
”イモヅルの法則” なんだそう。マイルスと共演したミュージシャンは生涯のベスト・プレイを
残している。

確かにマイルスの自叙伝を読んだとき、共演したミュージシャンの数の多さにびっくりした。
書き出してみようかとも思ったけど、あまりの多さに断念。
その数は数十人じゃきかないかも。

ほとんどのミュージシャンが彼と一緒に演奏している。
そしてマイルスの音楽には、ジャズも含めて ”音楽”のすべてがあると。
マイルス以外の音楽、なかでもジャズは、マイルスの音楽からジャズ的要素を部分拡大したもの
にすぎないのだと。

なるほど、私もそうなのではないかと感じたことがあるんだ。
でも、それほどマイルスを聴きつくしたわけでもないのでそうかなぁとなんとなく感じていたに
すぎなかった。
でもやっぱそうだったんだ、とこの本読んで納得したのだった。

そして何から聴くか。なんでもいい、しかし迷っている人のために、
「ビッチェズ・ブリュー」 「ゲット・アップ・ウィズ・イット」 「イン・ア・サイレント・ウェイ」 
「オン・ザ・コーナー」 「ドゥー・バップ」
この5枚すべて、あるいはどれか1枚を聴いてピンとこない人はなにをどう聴いても無駄と知るべしと。

私はこのCD5枚とも持っていて4枚は大好きなのだ。
でも実は1枚だけどうしてもよさがよくわからずに手放しちゃったものがある。
そのアルバムがどれかは内緒。
でも4枚がいいと思えたんだから、マイルスを理解できたことになるかなぁ。

なんか、この秋はマイルス一色になりそうな気配。
でもマイルス聴くだけで音楽のすべてがわかるっていうんだから、偏ってることにならないんでしょうね。


マイルスを聴け! 2001 →レヴュー

コメントの投稿

Secret

お久し振りです。

マイルスはいいですよね。オーラが違うと言うか、存在自体がジャズとして成立していた数少ないミュージシャンでしたね。

ギタリストを常に代えていたのも、彼の中で何か考えがあったのでしょうが、個人的には凄く注目していました・・・次はどんなギタリストを起用するのか。
一番ビックリさせられたのはロベン・フォードでした。
マイク・スターンもマイルスのバンドでのプレイが未だに印象に残っています。
どちらのライブも観れたのがいい思い出です。

来日の度に、表参道のイッセイ・ミヤケで数百万単位で服を買って帰っていたようです(笑)。

★LesPaul L-5さんへ

LesPaul L-5さん、こんにちは!
コメントありがとうございます。
そうですね。共演したギタリストもかなりの数ですね。そして、どんなに上手なギタリストでも音楽的に合わなければすぐに辞めてしまう(やめさせてしまう)。ほかの楽器でも同様。

常に前を向き自分の進むべき道を歩んできた人ですね。
だからその音楽スタイルも何度も変化している。6回か7回くらいかわっているらしいですね。
昨日レンタルした『クールの誕生』、有名で名盤?らしいいけど、後記のものと比べると、
同じ人が作ったアルバムとは思えないですね。びっくりしました。

マイルスは若い頃から知っていましたが、リアルタイムで聴いていたものが多いので、
彼はジャズだと思っていませんでした。
そして私は音楽も仕事と同様かなりのブランクがあるので、マイルスの来日や、亡くなったことすらも
当時は知りませんでした。あ~なんてこと。

これからまた初期のアルバムも含め、いろいろ聴き直そうかなと思います。
ジャズ・サックスの勉強にもなりますし。。

poohさん、こんばんは。
文中紹介、ありがとうございます!ちょっとビックリしましたけど(笑)。
中山康樹さんの文は、ひとクセありますが、あれもこれもと聴きたくなってしまいますよね。
この方、ご自分のことを”マイルス者”と自称するだけに、その愛情は半端ではありません。

私も生前のマイルスを聴きに行ったことがありますが、後にも先にも人間のオーラらしきもの
を見たのは、マイルスだけかもしれませんね(笑)。

私はマイルスの伝記(クインシー本とは違うものですが。)を入口にして、現在までジャズとの
長~いお付き合いをしていますよ。

★sou-unさんへ

sou-unさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。
そうです。勝手にsou-unさんのことを紹介してしまいました。ごめんなさい。

私は残念ながらLIVE行ったことありません。DVDは見ましたが。
確かにすごいオーラ感じますね。

私は最近マイルスにはまってしまって抜け出せずにいます。
今は「マイルスを聴け!」を読んでいまして、これもすごくおもしろい。
アルバム紹介というよりも、ここでもマイルスのことがよく書かれています。
そして聴きたいアルバムのところにふ付箋をつけておいてあとで探してじっくり聴こうと思っています。
マイルスって本当偉大な人ですね。

こんにちは!

poohさん、
こんにちはパンチです。

やっぱりマイルスは本人は勿論のこと、彼について語る記事もかっこいいですね。
紹介されている本、読んでみたくなりました。

合わない人とはまったく合わなかったようですが、マイルスは自分自身の世界を音楽で創造することができる稀有な存在だったのだと思います。

いちミュージシャンというよりは、本質的にアーチストなんだと思っています。

実は、本当に偶然なのですが私のBlogの次回記事でマイルスを紹介しようと思っていたのです。参考にさせていただきます!
といった訳で、ついついコメントしてしまいました・・・

★パンチさんへ

パンチさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

マイルスって本当知れば知るほど偉大すぎて魅力的ですよね~。
もう最近はマイルス一色です。
マイルスの記事の参考に?ってそれほどの記事ではないですよ。
でもマイルスのこと語り始めたらきりがないかもですね。
マイルスの記事楽しみにしていますね。
プロフィール

pooh

Author:pooh

Blog:じゃずりんぐ★
Jazzが大好き
ナース:介護老人保健施設勤務
jazz sax修行中

ジャズを中心に美術や映画、本のことなど雑多に書いています。
大好きなナースのお仕事の事も・・・
元GAROのマーク 大好き~💙

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