意味がなければスイングはない

意味がなければ

意味がなければスイングはない        村上春樹 著    文春文庫


「スイングしなけりゃ意味はない(デューク・エリントン)」 って曲があったけど(これ大好きな曲)、
それを文字った題名の本。

音楽好きな小説家の村上春樹が、音楽のレシピエントとして、また職業的文筆家として音楽について
真剣に腰を据えて語った、待望の著者初の本格的音楽エッセイ本。

村上春樹さんて昔から作家だと思っていたけど、最初は音楽(ジャズのお店)やっていたんだそう。
そして10代の頃は、音楽を聴くこと、本を読むことが生活のすべてだったと。

しかし、音楽の仕事を始めてしばらくして、ただのレシピエンにすぎないということに不満を感じ、
29歳で小説家になったのだそう。

ってなれるからすごいよな。
私も将来(っていつだよ?)ジャズ喫茶やってみたいよな。でも夢の夢。
小説書くって無理だから、ブログの雑文で満足してる。しょぼいな。

あらゆる音楽家のことについての彼の見解が興味深く書かれている。
クラシックのピアニスト、ジャズ・ピアニスト、ジャズ・サックスプレーヤー、ロック・スター、
フォーク・シンガー。。。

私は音楽詳しくないので、ジャズのプレイヤーについて書かれたものしか読んでいないけれど、
そのかなり詳しいい文章にビックリ。

スタン・ゲッツのジャズ・サックスとは思えないあの優しすぎる音色の裏に隠れた苦悩を
知ることもできた。
ジャズ・サックスって普通はもっとずっと荒っぽい音色じゃないかってイメージがある。
でも彼の音色は違うんだな~。なぜだろうか。彼にしか出せない音色。
著者もこう語っている。

「ヘロインに苦しめられ、心身ともにむしばまれても、音楽にはほとんど影響がなく、
ひとたび楽器を手にすれば、天国に直結したようなファンタスティックな即興演奏を繰り広げることが
できた。」

「西も東もわからないまま、一本のテナーサックスだけを頼りに、姿の見えぬ悪魔と闇の中で
切りむすび、虹の根本を追い求め続けた若き日のスタン・ゲッツ。」

「予期しないときに、とんでもないところから、よその世界の空気がすっと吹き込んでくるような、
枠組みを超えた自由さがあった。彼は軽々と世界の敷居を超えることができた。
自己矛盾をさえ、彼は普遍的な美に変換することができた。」

音楽を聴いているときと、聴きたいなぁと思うときのこの感情ってなんだろう、
聴いても聴いてもまた聴きたくなるこの気持ちってなに?っていつも思っていた。
そうしたら、著者の村上春樹さんが本書でこう語っていた。

「音楽、その個人的体験は、それなりに貴重な温かい記憶となって、僕の心の中に、残っている。
あなたの心の中にも、それに類したものは少なからずあるはずだ。
         ・・・・・・・・
だからこそおそらく僕らは恋をするのだし、ときとして、まるで恋をするように音楽を聴くのだ。」

な~んだ。そうだったんだ。
音楽聴くって恋することだったのね。だからいい音楽聴くとワクワク・ドキドキするんだ。
好きな人に会っているのと同じ感覚。

うーん、納得。私にとって音楽聴くって恋人に会うのと同じなんだな。(恋人いないけどね。)
ずーっと好きな人に会っていたい。
だから音楽聴き続けているんだ。一日中。


<目次>
・シダー・ウォルトン―強靱な文体を持ったマイナー・ポエト
・ブライアン・ウィルソン―南カリフォルニア神話の喪失と再生
・シューベルト「ピアノソナタ第十七番ニ長調」D850―ソフトな混沌の今日性
・スタン・ゲッツの闇の時代1953‐54
・ブルース・スプリングスティーンと彼のアメリカ
・ゼルキンとルービンシュタイン 二人のピアニスト
・ウィントン・マルサリスの音楽はなぜ(どのように)退屈なのか?
・スガシカオの柔らかなカオス
・日曜日の朝のフランシス・プーランク国民詩人としてのウディー・ガスリー


意味がなければスイングはない →レヴュー

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Secret

poohさん、コンバンハ(・∀・)

村上春樹氏の作品は、『ノルウェイの森』くらいしか
読んだ事がないのですが、やはり作品と同じように
奥行きのある、幅の広い感性をお持ちの方だったん
ですね。

“音楽は恋人”ですか。( ̄ω ̄)
昔好きだった曲を聴くと、昔好きだったコが思い起こ
されたりするのは、そういう仕組みのせいでしょうか。
…まぁ、思い出すのは、たいてい苦い思い出なんだ
けれども。(苦笑)

ゲッツですか!

ゲッツ&ジルベルト。。。
私の愛聴盤です!

ジルベルトの声が好きなのです♪
ゲッツのサックスもシンプルで最高だし・・・

今度この本も読んでみますワ!

★ヤセガエルさんへ

ヤセガエルさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

私は「ノルウェーの森」も読んだことありませんでした。これが初めて。
村上春樹さんがこんなにも音楽好きで詳しいとは知りませんでした。
是非ほかの作品も読んでみたいです。

そうです。音楽は私にとって恋人なのかも。聴いてていつもワクワク・ドキドキするから。
最近はsaxが恋人になりつつあります。
1日でも音を出さないと、なんか寂しい。会いたいな~って感じかなぁ。^^

★ taisho さんへ

taishoさん、こんばんは!
コメントありがとうございます。

ゲッツ&ジルベルトですか。有名ですよね。
でも、聴いたことないんです。今度聴いてみたいです。
ゲッツの音ってとても優しいって思っていたけど、最近聴いてるアルバムはちょっと違って渋くて太い音です。やっぱすごいSAXプレイヤーなんだと思います。

本は最近暇なのでいつも読んでいます。店頭で目に止まった、軽く読めそうなものばかりですが。。
この本は、アーティストのことがとても詳しく書かれていて、知らないアーティストのこともよく分かってとてもおもしろいです。
プロフィール

pooh

Author:pooh

Blog:じゃずりんぐ★
Jazzが大好き
ナース:療養型病棟勤務
jazz sax修行中

ジャズを中心に美術や映画、本のことなど雑多に書いています。
大好きなナースのお仕事の事も・・・
元GAROのマーク 大好き~💙

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